無税生活(著:大村大次郎)を読んだ
公開日:
:
最終更新日:2013/03/13
書籍紹介
過激なタイトルですが、内容としてはいろいろな工夫(時には違法)で税金を安くしている(ゼロにしている)人々を紹介した本です。
前にちょっと話したトーゴーサンピンの事ですね。
面白かったところをいくつか。
◆水商売の人のバレない脱税の工夫
常連客の売上しか隠さない
→税務署の覆面調査員の売上を隠してしまわないように。
◆タックスヘイブンについて
意図的に税金のむちゃくちゃ安い国に資産を逃がす。引退後海外で悠々自適生活。
→タックスヘイブンと言われる国も、世界の資産(資産家が現地で落とすお金)が集まるのであえて安くしている
→さらにそれを磐石にするため先進国と個人資産開示協定を結んでいないのでバレにくい
◆白色申告最強説
青色申告はしっかりと帳簿をつけるとして税金面で特典がある。
→つまり白色申告は帳簿をつけなくて良いので適当に申告している場合が多い。
他にもいろいろ面白い具体的な事例が見られるので興味があれば読んでみてはいかがでしょう?
ただし、これを参考にして税金を払わなくて良いと思ったら大間違い。あくまでも面白い読み物、もしくはこれを参考にして、税金に興味を持つきっかけという視点で。
で、一番印象に残ったのが、芸能人の多くがなぜ会社を作るのか?あるいは副業をするのか?という所です。
当然節税対策が大きな要因というのは周知の事実だと思います。
それは特に驚かなかったですし、具体的な方法も目新しい物は紹介されていませんでした。
ただ、なぜ芸能人の多くが会社を作るなど節税に躍起になるのか?その理由に関して面白い考察がありました。
もちろん芸能人はお金持ちということが要因として大きいでしょう。また失礼ながら胡散臭い業界なのでそういったアドバイザー的な人物も多いでしょうし。
ただ、本の中で紹介されている歌手のさだまさしさんは「関白宣言」がヒットする前、世間で認知される前から会社を設立していたそうです。
これについて著者は芸能界の浮き沈みの激しさを理由としてあげています。
つまり売れない頃年収100万円でヒイヒイ言いながら何年も生活していたのに曲がヒットしてその年は年収1億円になります。
そうすると毎年1億円稼いでいる人と同じ税金を支払わなければいけません。
そして一発屋になってまた年収100万円に戻るなんてザラです。
これではやってられない。とういうことで、せっかく何年も苦労した結果得た大金を少しでも減らしたくない、という心理が働くことは想像に難くない。
といったわけです。
ここまではなるほどという所ですが、さらに著者は印税収入(作曲家作詞家等)の税法上の特例を例に出しています。
そのまま引用しますと、
たとえば、10年間、年収200万円程度の作曲家が、ある年だけ3000万円の収入となった場合。(略)印税収入特例を使えば、その年、前年、前々年の3カ年の年収の平均1000万円弱クラスの税率が適用されることになる。
先に言った浮き沈みを考慮した税率になりますよね。
なので、芸能人全般にこれに近いルールが適応されるべきではとも本の中で述べています。
で、これって芸能人だけでしょうか?
個人事業者が税金面でサラリーマンよりも有利ということで、節税がしやすい。だからする。
でも芸能人のように個人事業者って浮き沈みがサラリーマンより激しいですよね。普通。
だから節税しやすいことも手伝って躍起になるんですよね。
で、本の中でサラリーマンの節税も触れています。
副業を利用した節税です。内容が気になる人はぜひ本を読んでみてください。
これって、サラリーマンも今の時代じつは浮き沈みが激しいことに気づいてきたのかな?ってふと思いました。
前に書いたことと関係してますが、納税感(税金を自分で払っている感)の強さが節税へのモチベーションとなると思っていたのに加え、将来への不安感も節税への大きなモチベーションになるんだなって。
関連記事
-
-
奥田英朗入門~書籍分類~
読みだすと止まらなくて朝の4時くらいまで読んでしまうという愚行をした今日この頃。 昔はわりかし
-
-
【書評】「Chikirinの日記」の育て方 ボクが登場するかも?と思い買ってみたよ(笑)
書評とか偉そうに言ってますが全然書評じゃないので悪しからず。 このブログでもよく紹介さ
-
-
ニートになります宣言、未ダ実現セズ【ニートの歩き方 感想 著:phaさん】
少し話題から遅れましたが、なんとか読み終えました。友達のFちゃんからたまたま借りたので。。。
-
-
ニートになるために準備を進めなければ。。。
金持ち父さん貧乏父さんのロバートキヨサキ氏の会社が破産したらしいです。はい。 「父さん倒産」っ